聞こえない子、聞こえにくい子に対する新たな言語療育

 

聞こえない・聞こえにくい子どもの言語獲得に向けた療育として、新たに手話による言語指導を行うことになりました。これまで、聴覚障害児の療育は「補聴」に限られていましたが、人工内耳の手術を待つ間にも赤ちゃんの時間は過ぎて行きます。そこで、赤ちゃんに負担のない手話による療育で「言語意識(言語の芽」」を育てるというプログラムです。ことばは、人間の社会生活に欠かすことのできない、たいせつなものです。ことばが身につかなければ、子どもは一生たいへんなハンディを背負うばかりでなく、ものごとを考える力も大きく失われてしまいます。

 

 近年、デジタル補聴器や人工内耳などの技術や医療が進み、その効果も期待されるようになりました。しかし、聞こえない・聞こえにくい子を、聞こえる子とおなじにすることはできません。また、すべての子に有効な方法でもありません。それに対し手話は、生後1日目から、どの子どもにも使うことができ、その後の音声語の習得の助けにもなると言われています。できるだけ早い時期から「手話での話しかけ」を繰り返し行うことで、生後4、5か月から眉やあご、手のひらを動かすようになります。これは手話の喃語(なんご)といわれるもので、健全な言語発達が進んでいることを示します。1歳前後には手話の単語を表わし、2歳までには手話でかんたんな話ができるようになります。

 

このような「言語の芽」を育てることができるのは「自然手話(自然言語)」だけです。自然手話というのは、赤ちゃんが自然に覚えることのできるネイティブの手話です。聴者が身振りや手話単語を並べるだけでは、赤ちゃんの言語意識を十分に育てることはできないのです。手話でいったん言語意識が育ち、ことばの準備ができれば、その後の音声日本語の学習効果も期待できます。万一、音声語の習得がうまくいかなくても、「ことばのない子、ことばが十分でない子」にはなりません。手話は、聞こえない子、聞こえにくい子が無言語にならないための、重要な、そして確実な「保険」でもあるのです。

 聞こえない・聞こえにくい子どもたちの、ことばとコミュニケーションの力を育てるために、早期からの手話による言語指導をおすすめいたします。


学校法人明晴学園 児童発達支援事業所
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管理者 小野 広祐